スタンバイフェイズ
2023年1月27日に公開された、THE FIRST TAKE。
特にフォローしていたわけではないが、1週間ほど前、おすすめに表示されたのは運命だった。
FLOWは私が中学生の頃にどハマりしていたバンドだ。とはいえCDを買ったりラジオを聴いたりするだけで、ライブに行ったことはなかった。陰キャなので。
今回のTFTで披露された「GO!!!」は初めて自分のお小遣いでCDを買った思い出深い曲。
NARUTOのOPでもあり、巻物がスライドしていく映像もカッコよくて好きだった。
この曲をきっかけにインディーズまで遡ってCDを集め、ファンクラブ「26ers」にも入会していた。
大人になってあまりCDを買わなくなってしまったが、今だにカラオケに行くとFLOWの曲は必ず入れる。久しぶりに聴く曲でも、歌詞を見なくても歌えるものがたくさんある。
「贈る言葉」や「ドリームエクスプレス」のMVで仲間たちと楽しそうに歌っていたチャラい兄ちゃん達は、陰キャの私の憧れであり、FLOWの曲は私の青春そのものだった。
イントロが流れた瞬間、擦り切れるほどにCDを聴いていた当時の記憶が蘇る。
あれから20年近くが経ち、久しぶりに彼らを目にして、さすがに歳をとったなあ、と思った。
だが演奏も歌唱力も衰えるどころか、より魅力的になっている。
一発撮りの緊張感の中、FLOWの皆はあの頃と変わらず楽しそうに歌い、演奏している。
何より、メンバーが誰一人欠けることなく20年続いていたことが嬉しかった。
前置きが長くなったが、懐かしくなってCDを引っ張り出してきたので、この機会にFLOWのおすすめ楽曲を紹介したい。
メインフェイズ:FLOWって?ああ!
FLOWとは
FLOWを一言で表すと、「オタクに優しいヤンキー陽キャ集団」である。
正確には5人組のミクスチャーロックバンド。
数々のアニメで「神曲」と呼ばれた主題歌を生み出し、世界中にファンを持つ。
経歴
結成は1998年。KOHSHIとTAKEの二人のコピーバンドにKEIGO、GOT’S、IWASAKIが加入。
現在のメンバーが揃ったのは2000年。
バンド名のFLOWはヒップホップ用語の「flow」から。
2003年海援隊の「贈る言葉」のカバーで注目を浴び、同年「ブラスター」を発売しメジャーデビュー。その後2004年にリリースした「GO!!!」でブレイクした。言わずと知れたTVアニメNARUTOのOP曲である。
- 1993年KOHSHIとTAKEが音楽活動を開始
上記二人によるX JAPANのコピーバンド。バンド名は「WYBURN」。
- 1998年FLOW結成
「WYBURN」がhideのコピーバンドに変わり、「ピンキッシュ」に改名。
友人のすすめでオリジナル楽曲の制作を開始し、FLOWの結成に至る。 - 1999年KEIGO、GOT’Sが加入
- 2000年IWASAKIが加入
現在のメンバー5人が揃う。
- 2001年初シングル「FLOW#0」発売
- 2003年「贈る言葉」カバーシングル発売、メジャーデビュー
FLOWのターニングポイント。メジャーデビューシングルは「ブラスター」。
- 2004年「GO!!!」をリリース
オリコンチャート3週連続10位以内入りしブレイク。
- 2005年KEIGOが交通事故で入院。解散の危機。
追突事故により頚椎捻挫。
翌年復帰し無事「Re:member」がリリースされた。 - 2008年ライブツアーのファイナルで武道館公演
FLOW LIVE TOUR 2007-2008「アイル」にて。
- 2010年アルバム「MICROCOSM」で世界進出
欧米44か国でリリース。2021年のフランス「JAPAN EXPO」にて最優秀J-MUSICアルバム賞を受賞。
- 2015年初のワールドツアー「FLOW WORLD TOUR 2015 極」開催
日本国内ほかアメリカ、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、チリ、カナダを回り、台湾では初の海外単独公演を行った。
- 2023年メジャーデビュー20周年
デビューからメンバーが変わることなく20周年を迎えた。
公式Youtubeチャンネルにて「贈る言葉(20周年アニバーサリーバージョン)」を公開。
ライブで5大陸全制覇を目指し現在も躍進中。
メンバー紹介
イカしたメンバーを紹介するぜ!
KOHSHI (Vo)
通称チャゲの方。浅川兄弟の兄の方。テキーラおじさん。
FLOWといえば彼の歌声が印象的な人も多いのでは。多くの楽曲で作詞を担当している。
よく飛ぶ。元陸上部の身体能力を生かした開脚ジャンプがカッコいい。歌詞もよく飛ばす。
漫画家を目指していたこともあるらしく、イラストも上手い。
2013年に個展「FLOW—KOHSHI園—原画展」も開催。
2021年、ついに一般女性と結婚。メンバー全員が既婚者となった。
KEIGO (Vo)
通称アスカの方。KOHSHIとは高校の同級生。
ライブににノリで乱入したのがメンバー入りのきっかけ。陽キャの中の陽キャ。
色白イケメン。飲酒により更に白くなる現象は「ホワイトアウト」と呼ばれていたらしい。
サッカー好きで過去のMVではよくレプリカユニフォームを着ていた。柏レイソルサポ。
トーク力があり、ライブやイベントでMCも担当している。大事なところでよく噛む。
Youtubeに個人チャンネルがあり、ゲーム実況などを配信している。
TAKE (Gt)
浅川兄弟の弟の方。メンバー最年少。自由人。
通称「5万円ギター事件」を機にギターを始める。
ほとんどの楽曲で作曲を担当。
FLOW以外にも楽曲を提供しており、意外なところでは「しまじろうのわお!(グーチョキパーでパンプキン)」や「にじさんじ(虹色のPuddle)」など。
登山やロードバイクなどアウトドアに多趣味を持つ。よく髪型が変わることで有名。
GOT’S (Ba)
通称社長。FLOWのアイドル。2023年のリーダー。
演奏中はあまり動かず、黙々とベースを弾く職人。
初期のCDの歌詞カードや帯裏のイラストでよくイジられていた。
贈る言葉(20周年アニバーサリーバージョン)ドラマパート動画でも安定のネタ枠。
ラーメン好き。2022年、ラーメン屋の「超ごってり麺ごっつ」とコラボし、一日店長にも就任。
昔は赤い髪がトレードマークだったが今は黒髪。ちなみに「GO!!!」のMV時は金髪。
IWASAKI (Dr)
通称ベロスキー。
最年長で他メンバーとは8歳前後離れている。
コメンタリーなどでよく「サラ崎」「ヒゲ崎」などと呼ばれてイジられており、歳の差を感じさせない仲の良さが伺える。
五十路を超えても衰えを知らぬドラム捌きは圧巻の一言。
腕から胸にかけてがっつり墨が入っているが、前職はヤのつく自由業ではなく弁当屋の店長である。
料理が得意。
一度だけ「ドリームエクスプレス」で作詞に携わったことがある。
バトルフェイズ:おすすめ楽曲
疾走感のある明るい曲調かつ、前向きで背中を押してくれる歌詞が多い。
元気をもらいたい時や、テンションを上げたい時に聴きたくなる。
大親友の彼女がパスタを作って一目惚れしてそうな見た目に反し、恋愛系の曲は少ない。
ほとんどの楽曲で、作詞を兄のKOHSHIが、作曲を弟のTAKEが手がけている。この兄弟、やはり天才か…。
有名なアニソンだけでなく、インディーズ時代の楽曲もおすすめ!
公式チャンネルで聴けるおすすめBEST6
「GO!!!」はもはや今更紹介するまでもないと思うので、それ以外から厳選。
ブラスター
まさにFLOW!!を体現した曲。
爽快感溢れるイントロを聴いた瞬間、走り出したくなるくらいテンションが上がる。
ドリームエクスプレス
問答無用で楽しい気分になれる曲。
スポーツの応援歌としても人気で、日ハムの五十幡選手の登場曲にもなっている。
この頃の謎PV好き。ちなみに一番カオスなのは「Re:member」だと思う。
流星
FLOW初の恋愛ソング。だが恋愛感はそんなにない。
今も昔も男子小学生メンタルの私にはむしろそれがハマった。
相変わらずPVのセンスが独特。
Sign
NARUTO疾風伝のOP。
イタチや自来也の最期に歌詞がリンクしていて泣ける。
アニメOP映像のサビで自来也がゲタを打ち鳴らすカットが好き。
冬の雨音
「冬」で「雨音」で「失恋」がテーマなのに、曲調はフラメンコのように情熱的なのが面白い。
今までのFLOWにはあまりなかったテイストの曲。
ちょっとポルノグラフティあたりの雰囲気を感じる。
GOLD
BORUTOの10代目OP。
MVが「GO!!!」の続編という胸熱展開。
TFTでも思ったが、KOHSHIだけ18年前とほぼ変わっていない気がする。真のターミネーターはGOT’SではなくKOHSHIだった…!?
初めてのFLOWにおすすめのアルバム
好きな曲が多すぎて上記6曲では足りないので、手持ちのアルバムの中からもおすすめを。
ついでに隙自語。
GAME
収録楽曲
- GO!!!
- ブラスター
- 流星
- Without you
- 太陽
- Surprise
- ノスタルジア
- シャリララ
- 集中治療室
- MC2=E
- その先には…
- ドリームエクスプレス
- Hands
興味を持ったらまず聞いてほしいのはコレ。
代名詞ともいえる「GO!‼️」を始め、アニソンバンド化する前の名曲が揃っており、初期のFLOWらしさが詰まっている。
「ブラスター」「流星」「ドリームエクスプレス」あたりは令和に聴いても全く色褪せていない。
「シャリララ」はサッカー番組「スパーサッカーPLUS」のテーマソングにもなった。ちょうどサッカーにハマっていたので、夜更かしして見ていた記憶がロート製薬のCMと共に蘇る。
個人的に「MC2=E」もお気に入り。歌詞が各メンバーの紹介になっている。サビのリズム感と最後にめちゃくちゃテンポアップして賑やかに終わるのが好き。
「集中治療室」は当時の厨二心に刺さった一曲。メロディは今でも好み。
SPLASH!!!〜遥かなる自主制作BEST〜
収録楽曲
- SUNSHINE 60
- Everything all right
- メロス
- 日々道々
- 海へ行こう
- Go Place
- プラネットウォーク
- サニーサイドサーキット
- Like a Rolling Snow
- 僕に捧げるバラード
- Who Needs Baby
- 贈る言葉
(album vertion)
「GAME」の曲がお気に召したら聴いて欲しいアルバム。
メジャーデビュー後初リリースのアルバムだが、インディーズ時代の楽曲で構成されている。
どれもインディーズとは思えないクオリティ。実はオリコン2位というFLOW史上最高位を記録したアルバムでもある。
有名どころは「メロス」と「贈る言葉」のカバーだろう。
「サニーサイドサーキット」の疾走感が好きで、高速の歌詞を歌えるようにめちゃくちゃ練習した思い出。カラオケで毎回歌っていたら、FLOWをそんなに知らない友人も気に入ってリクエストしてくれるようになったのが嬉しかった。
「僕に捧げるバラード」は隠れた名曲。昔はノリ良い曲の方が好きだったが、今聞くと非常に沁みる。
他にも「プラネットウォーク」とか「Everything all right」「Like a Rolling Snow」も良いのだが、そのあたりに言及を始めると結局全部良いという話になるので、とりあえずもう全部聞いてほしい。
この辺の曲が気に入ったら、他のインディーズCDもゲットしてみてほしいぜ。
「7th Heaven (FLOW#0収録)」や「サムライアフロ(Like a Rolling Snow 収録)」はメジャーアルバムに入っていないのがもったいない良曲があるぞ!
FLOW THE BEST 〜Single Collection〜
収録楽曲
- COLORS
- Around the World
- Re:member
- Garden
- DAYS
- Rookie
- Life is beautiful
- GO!!!
- 流星
- ドリームエクスプレス
- ブラスター
- メロス
- 贈る言葉
- Melody
アニソンからインディーズまでおいしいとこどりしたアルバム。
本来は一番最初に紹介すべき。
初めてFLOWを聴く人だけでなく、昔聴いていて懐かしい気分に浸りたい人に。
「Around the World」は今でもFLOWで一番おしゃれな曲だと思っている。SUZUKIのSWIFTのCMソングだったので聴いたことがある人も多いはず。サビを聴いているとSWIFTが軽快に走る映像が脳裏に浮かぶ。
アルバム自体のリリースが2006年なので収録されているアニソンは懐かしいものとなっている。
「コードギアス 反逆のルルーシュ」前期OPの「COLORS」、「交響詩編エウレカセブン」第一期OPの「DAYS」は作品ファンにも愛されている。このあたりからFLOWがアニソンバンドとして認知されることになった。
初回生産限定盤にはDVDが付属しており、収録曲のMVと撮影時のエピソードを語るコメンタリーなどが収録されている。
久しぶりに見たらクソ笑ったので手に入れられたら見てほしい。
相変わらずヒゲ崎もといIWASAKIがイジられている。
FLOW THE BEST 〜アニメ縛り〜
<DISC 1>
- GO!!!
- DAYS
- Realize
- Re:member
- COLORS
- WORLD OF THE VOICE
- WORLD END
- SUMMER FREAK
- Sign
- CALLING
- Hey!!!
- プレイブルー
<DISC 2>
- HERO 〜希望の歌〜
- CHA-LA HEAD-CHA-LA
- 愛愛愛に撃たれてバイバイバイ
- 虹の空
- 光追いかけて
- Steppin’ out
- 風ノ唄
- BURN
- INNOSENSE
- 7-seven-
- Howling
とにかくFLOWのアニソンが聴きたい人におすすめ。
2018年3月当時までのアニメ関連曲を完全網羅し、リリース順に収録。
「Re:member」「Sign」などNARUTOのOP・EDは5回タイアップしており、NARUTO史上最多となっている
余談だが、「虹の空」で一楽のおっちゃん(テウチ)視点でEDを制作したスタッフはセンスが良すぎる。
「Realize」はエウレカセブンのPSゲーム用ソフトのテーマソング。元々はアニメ主題歌の「DAYS」が採用される予定だったが、ゲームスタッフがこの曲を気に入りタイアップした。
KOHSHIがプライベートでのインド旅行からインスピレーションを受けて制作。登場人物全員踊り出しそうな陽気な曲…ではなく、「気付きを得て成長する」というテーマ(多分)のカッコいい曲に仕上がっている。インドの経験からアジア感のないこの曲が出来上がるのはやはり天才か。
12thオリジナルアルバム「Voy☆☆☆」発売予定!
2023年2月22日、オリジナルアルバム「Voy☆☆☆」をリリース予定。
BORUTOのOP「GOLD」、15周年に再放送されたコードギアスの「DICE」、そして「贈る言葉(20周年アニバーサリーバージョン)」などを収録。
贈る言葉は当時のカバーよりも歌声に落ち着きが出ていて、同じパンク系のアレンジではあるが原曲の持つ魅力も失わない良質なカバーに進化していると思う。
新曲も「コルコバード」「東京ブレーメン」「やっぱりシンドバッド」「Voyage」の4曲が収録される。
令和のFLOWを聴けるのが楽しみだ。
久しぶりにCDを買うぜ!
エンドフェイズ
団欒中に見ていた音楽番組で演奏していた「贈る言葉」がFLOWとの出会いだった。
見ていた親は「武田鉄矢に怒られるぞ」と呆れていた。
賛否両論あった問題作だが、この曲でFLOWの認知度が爆発したのは間違いない。当時オリジナルで既にたくさんの良曲を生み出していたFLOWが、埋もれずに知ってもらえて本当に良かった。
こうして振り返っていて、やっぱりインディーズ時代の曲が好きだと改めて思う。
決して古参ぶりたいわけではなく、本当に良いのだ。
原曲のファンからすると言いたいこともたくさんあろうが、本来なら「海援隊」を聴くことがないような層に、この名曲に触れる機会をくれたことにも感謝を述べたい。
月日は流れ、2023年。
ユニフォーム姿ではしゃいでいた兄ちゃん達は、スーツの似合うカッケーおっさんになった。
そんな彼らに武田氏は言う。「立派な仕事ぶりだと思いますよ」。
ワイトもそう思います。
熱心にFLOWを聴いていた20年近く前の私が、今のしょうもない自分を見たらがっかりしそうだ。
アラサーになり、年齢を感じて憂鬱になることが増えたけれど、「Smells likes Thirty Sprit」でも聴きながら頑張りたい。
彼らの積み重ねた20年の歴史と、「立派になった」姿は、楽曲以上に励ましをくれる。
手始めに…今月のKCカップを勝ち上がってみせるぜ!
「がっかり」されるのはそういうところでござるよ。
もう一人のボク!!いたの!?
☆ゲームばっかりしてないで少しは立派な仕事をしろ──。
それはそうとKCカップは頑張るぜ!ランク戦をまだやっていないのは内緒だぞ!
次回、「今更!前回KCカップを振り返り!」
デュエルスタンバイ!
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