スタンバイフェイズ
私、決闘者のマサキ。
こっちは影武者のもう一人のボク。
今日は先日行った古代エジプト展の感想会だよ。
観覧の際、頭に入れておくとより楽しめる情報も紹介するでござるよ。
行けなかった人も、行った気分で楽しんでくれよな!
学生時代、古代エジプト展が開催されるたびに足を運んだ。
実際にエジプト旅行に行ったこともある。
今回は数年ぶりのエジプト展鑑賞。
ライデン国立古代博物館とは?
オランダにある博物館。200年の歴史がある。
ライデンはオランダ最古の大学都市。
60年以上エジプトの発掘を行なっており、2万5千点のエジプトコレクションを所蔵。
ヨーロッパの5大コレクションの一つに数えられる。
- 大英博物館
- ルーヴル美術館
- ベルリン・エジプト博物館
- トリノ・エジプト博物館
- ライデン国立古代博物館
メインフェイズ:見どころと気に入った展示品紹介
見どころ
オランダから約250点の所蔵品が来日!
中でも棺の立体展示とミイラの最新CTスキャン映像は必見。
壮観!棺の立体展示
一般的に棺といえばシンプルな木棺のイメージ。
しかし古代エジプトでは、棺にも装飾が施されている。
床に置かれた状態で展示されることが多いが、今回は立てた状態での展示。
寝た状態に比べ全体がよく見え、棺の中に描かれた絵までじっくり鑑賞できる。
時代によって棺の色や腕の彫り方が異なる。
違いを見比べてみよう。
木棺は時代とともに質素になっていくんだけど、これも立てて並べられていると比較がしやすいぞ。
初公開!ミイラの最新CTスキャン映像
ライデン国立古代博物館では、技術の進歩を信じてミイラに巻かれた布を外さず、解剖もせずに保管していたそう。
そして現在、CTスキャンでの解析が実現。
胸熱な展開だ。
人間だけでなく、動物のミイラも。
布を剥がしていないから、余計な損傷なく保存状態が良いんだぜ。
今回の展示は、全ての木乃伊が布でぐるぐる巻きでござる。
ご遺体を見るのが苦手な御仁や、お子様も安心して鑑賞できるでござるよ。
CT映像に骨は出てくるけどな。
音声ガイドは西島秀俊&森川智之!
600円でレンタルできる音声ガイドは、ナビゲーター・西島秀俊さんと、案内人・森川智之さん。
西島さんの声はNHKみがあって落ち着く。
そして森川智之さんといえば、東映版・遊戯王アニメの城之内くん!
「クウと家族の供養碑」では、碑に書かれたヒエログリフを森川さんが古代エジプト語で読み上げてくれる。
遊戯王ファン的にはこれだけで600円の価値があった。
碑自体も保存状態が良くて、めちゃくちゃ綺麗なんだよな。
今年作ったと言われても信じるくらいでござった。
鑑賞の際の豆知識
今回の展示だけでなく、今後エジプト展を鑑賞する際にも!
知っておくとより楽しいポイントをご紹介。
色にも意味がある!
古代エジプトの壁画やパピルス、宝飾品はカラフル。
実は、色にはそれぞれ意味がある。
色 | 意味 |
---|---|
緑 | 植物の芽吹き、再生・復活 |
黄 | 太陽、棺 |
黒 | 肥沃な大地、冥界 |
赤 | 砂漠、血、火 |
青 | ナイルの水、海 |
白 | 神聖、清浄 |
黄金 | 神の肉体、永遠 |
ちなみにヒエログリフでは黒が本文、赤が見出し、という意味で色分けされているものもあるぞ!
棺の手の組み方は男女で違う
胸の前で腕を交差している死者。
その手の形で男女がわかる。
握りこぶしを握っているのが男性。
手を開いているのが女性。
像が左足を踏み出している理由
遺物の像は左足を前に出しているのが多い。
左足の心臓を捧げ、王や神へ服従の意を表す為。
足を前に出す、というポーズ自体は生者であることを示している。
今回の展示では解説がなかったが、遊戯王読者は知っているはず。
そう、遊闘 279「千年の秘宝!!」にて、双六が千年パズルを入手する際、王墓のギミックとして登場する。
しかしもう一つ理由が。
像の正面が右側だから、というもの。
下記のブログで解説されているので、興味がある方はどうぞ。
エジプトの彫刻は何故左足を出しているのかという問題
リンク先:現在位置を確認します。【移転後】
古代エジプト関連の考古学記事が他にもたくさんあり、興味深い。おすすめ。
気に入った展示 5選
個人的にお気に入りの展示たち。
イクニューモン
エジプト展のアイドルといえば、猫の神「バステト」様の像。
しかし今回は、バステト様を差し置いてPRされていた動物が…?
その名も「イクニューモン」。
神様の使い、エジプトマングース。
メジェド様並に流行りそうなゆるい出立ち。
ちなみに音声ガイドをレンタルすると、CV.森川智之で喋る。
セベクテンの石碑
赤色砂岩でできた、大きめの石碑。
ファラオが神に供物を捧げる様子が描かれている。
砂粒が光ってキラキラしていて綺麗。
シャブティ
決闘者、というか遊戯王ファンには馴染み深い人形。
見ていると、何故か粉々に砕けそうで不安になる。
色々種類があって楽しい。
ファイアンスという青い陶器でできたものは、見た目にも美しい。
特に「メリトアメンのシャブティ」は非常に愛嬌のある顔をしていて好き。
彼らは死者のために働く従者。
初めは1体ずつ埋葬されていたのが、やがて1日1体ぶんの365体となった。
さらに見張りの監督官がついて合計401体に。
シャブティくん、信用がない。かわいい。
こちらも音声ガイドを借りると、CV.森川智之で喋る。
にしても、365日労働ってブラックだよな。
むしろ、今まで1体だけで毎日働いていた方が辛いのでは?
確かに。
ネスナクトの死者の書
パピルス紙に描かれた、死者の為のガイドブックのようなもの。
古代エジプトでは木材が貴重。
紙の節約の為、のちに木棺に直接描かれるようになる。
死者の書で有名なのは、心臓と鷲の羽の重さを秤にかけ、最後の審判を受けるシーン。
心臓の方が重いと、前世の罪を問われて「アメミト」という怪物に食べられる。
個人的お気に入りは、ワニを倒すシーン。
引きずられているワニの姿がシュールで好き。
まるで荒巻スカルチノフ。
_,,..,,,,_
/ ,' 3 `ヽーっ
. l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
他にもパディコンスやアセトウェレトの死者の書が展示されている。
アメミトは「アメミット」としてシャーディ編に登場しているぞ。
神経衰弱のところでござるな。
パネシィの棺
木棺が地味になった時代に作られた棺だが、顔の部分のみ別の高級な木材が使用されている。
日中は鳥の姿で現世を飛び回っているバァ(魂)が、夜に確実に肉体へ戻ってこれるよう、目印とする為だそうだ。
実物は顔以外の黒い部分も味がある。
黒は肥沃な大地の意味。
シンプルゆえに、現代日本人から見ると逆におしゃれだ。
顔の部分のアップは、下記の左の画像がわかりやすい。
他にも「ハイトエムハトの棺」や「ネヘムスゥのカルトナーシュ棺」がカラフルで綺麗だったな。
カルトナーシュは、亜麻布・ニカワ・漆喰を固めて作られてるぞ。
後者は確か「てーべ」の主婦の棺でござったな。
ずいぶんと豪華でござる。
裕福な時代だったのか…?と思ったけど、パネシィと同年代なんだよな。
一体どんなスーパー主婦だったんだ…?
有翼スカラベ
単純に響きがカッコい。
スカラベとはフンコロガシのこと。
古代エジプトでは死者の心臓を守っていた。
下の写真は魔除けの役割をする護符。
木棺にも描かれているので探してみよう。
護符や宝飾品は、現代でも普通に雑貨屋で売ってそうなくらいオシャレ!
気になる展示 5選
もっと知りたい!と思った展示と、妙に印象に残った肖像。
アブダッラー・ニルキ教会の模型
入り口付近に展示されていたこちら。
壁に仏教風味な絵が描かれている。
他にも「テーベの貴族墓に描かれた文様」も曼荼羅のよう。
単に似ているだけか、仏教に触れる機会もあったのか。
それとも…。
エジプトに行った時、遺跡で某一神教のイラストを上から描かれていたのを見たけど、そういうのじゃないと良いなあ。
フイの石碑
でかい石碑。
目の前で跪いて、例の石碑を見た海馬社長の真似をしたくなる。
※ルールとマナーを守って鑑賞しましょう。
描かれているのは、亡くなったフイ夫妻の元を親族が訪れる様子。
解説では右端がフイ夫妻と聞いたが、左端にもいるような…?
バァキィのセネト・ゲーム箱
遊戯王ファンなら誰もが足を止めるに違いない。
脳内で「ゲームの歴史…」とナレーションが聞こえる。
黄金櫃ではなく木製で、横長の箱。
一体どんなゲームが入っていたのだろうか?
スリッパ棺の蓋
特に何の解説もなく展示された壺のようなもの。
まずスリッパ棺とはなんぞや、と言いたいが一番謎なのはその模様。
こんな感じ。
一体何なんだ。
男のミイラの肖像
とある芸能人にクリソツの肖像画。
彼を目にした来館者のほぼ全員が、その名を口にする。
ワイトもそう思います。
バトルフェイズ:施設紹介
私が訪れたのは北海道立近代美術館。
観覧料
区分 | 観覧料 | リピーター割 |
---|---|---|
一般 | 1800円 | 1600円 |
高校生 大学生 | 1000円 | 800円 |
中学生 | 700円 | 500円 |
小学生以下は無料。ただし要保護者同伴。
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の所持者と同伴者1名も無料。
常設展示との共通券は一般2000円、高大生1050円。
観覧所要時間
2時間〜3時間。
私はメモをとりながら、説明文・動画も全て見て2時間半くらい。
しかし閉館時間ぎりぎりになった為、一番最後のコーナーは駆け足気味。
13時までには来館した方が良い。
施設情報:北海道立近代美術館
【住所】
〒060-0001
札幌市中央区北1条西17丁目
【電話番号】
011-644-6881
【公式HP】
https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/knb/
開館時間
9:30 – 17:00(入場は16:30まで)
8/19までの金曜は19:30閉館
月曜休館
(月曜日が祝日または振替休日のときは開館、翌火曜日は休館)
スケジュールカレンダー
アクセス
札幌市営地下鉄 東西線 「西18丁目」駅
3番出口から徒歩5分程度
駐車場は無し。
近隣のパーキングを利用する必要がある。
特別な理由がない限り、地下鉄移動の方が便利。
観覧の際の注意点
- Q展示物の写真は撮れる?
- A
撮れません。残念。
- Qメモをとっても良い?
- A
鉛筆ならOK。持っていない場合、会場内で借りれます。
- Q喫煙所は?
- A
施設内にはありません。
近隣のローソンに灰皿の設置があります。
利用したらできるだけ買い物しましょう。
- Q飲食はできる?
- A
展示室内は当然禁止。
美術館2階にはカップの自動販売機とカフェがあります。
エンドフェイズ:感想
数年ぶりのエジプト展。
入場まで物販を見ながら時間を潰していたら、早速近くにいた女性客から「遊戯王」の単語が聞こえてニヤリ。
遊戯王ファンとしては、バァとかカーとかオシリス、ラー・ホルアクティとか出てくる度に、口角が上がってしまう。
そういえば、今回は珍しくオベリスクについての言及がなかった。
エジプト展は好きで過去に何度も足を運んだが、今回はブログのネタにしようとメモを取りつつ鑑賞したので、かつてないほど記憶に残った。
混んではいたものの、ぎりぎり全ての展示を見れて満足。
しばらくこういった美術鑑賞をしていなかったが、楽しかったのでエジプトに限らずまた出かけたい。
図録を買おうか迷うなァ…。
個別の解説が載ってるんだって。
展示品の解説は少なめでござったからな。
しかし保管場所と今月の予算問題で諦めたのでは
?
だって気になるだろ、スリッパ棺の蓋。
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